■ TAKANO Chateau Superior 21Jewels  1960年前後

tiltshift

こんにちは 猫仙人の友達です。

早いもので前回の更新より3か月以上経過してしまいました・・・ごめんなさい。
言い訳いたしますと・・実は、50肩を患ってしまいまして。
右肩です。痛くて何も出来ませんでした。しかも左肩が治って間髪入れずの発症
です。
まだ、少し痛いですが、日常生活に支障のない程度まで回復いたしましたので
早速時計いじり復活です!

さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回は、幻のメーカー!と云われている
タカノのシャトーのご紹介になります。
因みに何故幻のメーカーかと申しますと既に無いメーカーだからです。
(1959年の伊勢湾台風被害で再建がおぼつかず僅か5年という短い期間だけ腕時計を製造。)
独自での再建は出来ませんでしたが、リコーに吸収されその技術は、継承されました。
プリンス自動車と日産自動車の関係みたいですね。(おじさんしか知らないかな~)

当ブログでタカノは、3本目ですが、初のシャトーです。
他の2本は、ラコー型のプレシジョンとスーパーです。興味のある方は、過去記事を
ご覧ください。カテゴリ別アーカイブのTAKANOをクリックすれば、見れます。
タカノのムーブメント(メンズ)は、ドイツのLACOを模したラコー型(1957年)と
自社開発のシャトー型(1959年)に大別されます。シャトーの方が上級ラインです。

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↑ 入手時の状態です。初期型のTマークが素敵です!!
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↑ 大まかにバラしました。文字盤が結構汚いです。風防も曇っていますね。 
  この辺りで大まかに不具合等を見立てます。 
  時刻合わせが異様に軽いです。怪しい・・・
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↑ 輪列受けの伏石が欠品に見えますが、止めるネジだけ欠品で外れてるだけです。
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↑ 文字盤は、経年劣化しています。
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↑ 文字盤と針を外しました。
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↑ リューズ付近とかに汚れが蓄積しています。
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↑ 取り敢えず伏石押えのネジを適当なもので代用しました。
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↑ 早速バラシて行きましょう。
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↑ 輪列受け等を外しました。
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↑ 角穴車、丸穴車、香箱受け、香箱、3番、4番等を外しました。
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↑ 2番車、ガンギ車、アンクル等を外しました。
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↑ 日の裏側もバラしましょう。
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↑ 日の裏車と小鉄車の抑えのネジが錆びてます。不思議です。
 どうしたらここが錆びるのでしょうか。要交換です。
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↑ 切り替え機構と日の裏車等を外しました。地板上になりました。
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↑ 香箱を開けました。オイルは完全に乾いています。バラシて掃除しましょう。
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↑ 写真的には突然ですが、バラシて洗浄が済み日の裏側を組み立てました。
 この間、超音波洗浄、乾燥、注油しながら組み立てを行っています。
 注油等は、「これから始める機械式時計修理の趣味入門」の実践編などを参考に
 してください。記事の最後の方にリンクを張ってありますので覗いてみて下さい。
 また、ここで使用している道具は、Amazonや楽天で購入出来ます。
 同じく最後の方にリンクを張ってありますのでご参考にどうぞ!
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↑ 一応組み上がりました。元気に動いております!!
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↑ 組み立て終わった最初の測定です。微調整で済みそうです。



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↑ 歩度調整が終わって文字盤と針をつけました。
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↑ 磨いておいたケースと風貌にムーブメントを入れます。
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↑ 一応完成です。写真で見ると傷や劣化が目立ちますが、実物では
 そこまでではない感じです。老眼だからかもしれませんが・・・。
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↑ 装着してみました。60年以上の時を超えて復活です。感慨深いですね!

今回は、TAKANO Chateau SuperiorをOHしました。
久々にOH作業をしましたので少し戸惑うところもありましたが、
作業を進めていくうち感覚が戻っていくのを実感しました。
それにしてもタカノは、人気があるらしくボロでも入手が難しく
なってきました。ジャンクボックスもガラガラでこの趣味では
難易度が高くなってきましたね。タカノに限らずコロナ禍でお家時間が
長いせいか機械式腕時計の相場も上昇しています。
でもめげずに続けていきますよー。

追記:針の置き回りが発症しました。時刻合わせの際に針が異様に軽かったので
   ん?と思ったのですが、置き回りでした。置き回りとは、秒針とかは元気
   に動いているのですが分針が進まない症状です。
   これは、筒カナという部品の交換になりますが、如何せん60年前の時計で
   すからそうもいきません。同じ中古ムーブメントから取り外して使うか
   筒カナをほんのチョットだけカシメて修理します。
   今では、修理済で正常に時を刻んでいます!ほっ
   
   
  
では また! ごきげんよう!



TAKANO Chateau Superior 21Jewels  1960年前後 

Cal:533

Ref:30031

manual wind
sweep second

18000/h
power reserve :_h
21jewels

Case :GP 20microns


※記事中での不明な点(用語や仕組み、分解方法、注油方法、研磨方法など)は下記参考で【分解清掃 実践編 1】 ケースからムーブメントを取り出す
【分解清掃 実践編 2】ムーブメントを分解
【分解清掃 実践編 3】ムーブメントを洗浄
【分解清掃 実践編 4】ムーブメントを組み立てる
【分解清掃 実践編 5】番外編 研磨と磨き
【分解清掃 実践編 5’】ガラス風防再生へ挑戦(過去記事より追加)

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See you again! have a nice day and nice life !

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