【6】時計内部の各部名称を確認!!
前回は、時計の動く仕組みをザッと解説しました。
簡単に振り返ると、ゼンマイのほどける力を動力源とし4つの歯車でなる輪列に伝わりガンギ車、アンクル、テンプ、ヒゲゼンマイからなる脱進、調速機構で一定のリズムへと変換され各歯車に取り付けられた時、分、秒針を動かし時を刻むという内容でした。輪列、脱進、調速機構を個別にみてきましたが、理解を深めるために全体像を構造図でみてみましょう。自動巻き及びカレンダー機構付きのものになりますが、基本は一緒です。手巻きの機械に自動巻き機構とカレンダー機構がプラスされただけです。手でゼンマイを巻くか、腕の振りを利用したローターという回転する錘で巻き上げるかの違いです。さて構造図は、1970年代のセイコー社のものです。50年程前のモデルですが、現在のモデルと基本構造は同じです。キャリバー7005というモデルのもです。(※1)いかがでしょうか。変わった名前が多いですね。ガンギ車は、雁木というギザギザとか階段状とかの意味で英語では、escape wheel and pinion。オシドリは、おしどりという鳥に似ているから英語では、setting leverです。昔の日本人が付けた名前なんですね!一番の基本は手巻き3針ですが、自動巻き、カレンダー機構付きも構造的には同じです。手巻きの機械の上に自動巻き機構とカレンダー機構を追加しただけです。厳密には違うモデルもありますが、大まかにはこの考えでOKです。あとは、数をこなすとわかってくるって感じでしょうか。下に前回の手巻きモデルで使った古いオリエントスターのバラし写真と各部品の名前の図を掲載します。
キャリバーというのは、時計メーカーのムーブメント(機械のこと)型式番号です。よくCal:7005(Calibur:7005)とかと表現されます。この趣味に入った初めの頃、ちょっと混乱するものに時計の呼び方があります。リファレンス Reference よくRef:〇〇などと記載されます。これは、メーカーの完成品時計の型番です。ペットネームというのも有ります。商品名であったり愛称の場合もあります。つまり、リファレンスとペットネームはある意味同じです。ですが、キャリバーは、完成品に搭載されているムーブメントの型番。デザインの違う他の製品にも使うことも多いのです。時計メーカーにすればその方がコストがかからず多くの製品展開ができるからです。国産メーカーでは、輸出モデルなどに多く見られます。また、スイス時計は、ムーブメントだけ半完成品として供給するメーカー(エボーシュと呼ばれる)が、昔からあり様々なブランドから基本が同じムーブメントを搭載した製品が販売されています。これからこの趣味を始める訳ですが、続けていると意外なところでこの組み合わせを知ることになります。国産メーカーのムーブメントが、スイス製の時計に使われていたりか・・・消費者としては、知ることがない事ですが、分解趣味では、知るところとなるのです。
See you again! have a nice day and nice life !
◆ vintage watches of days gone by!
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ユニット01
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