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■分解清掃 実践編 5 番外編 研磨と磨き

今回は、実践編の研磨と磨きについて記したいと思います。腕時計は、日常使用で案外細かいキズがつくものです。毎日少しづつつくので変化に余り気付きませんが、購入時と比べると明らかです。まるで久々に合った親戚の子供がいつの間にか大きくなっているようなものです。さて、脱線してしまいましたが、本題に入りたいと思います。Gold、Silverは、専用のクリナーなどを使うとして今回は、教材として取り上げているセイコーCal:7005搭載のSEIKO Automatic 17石で行います。この時計は、SS(ステンレス)の最も一般的な素材です。この趣味では、遭遇する時計の側(ガワ、ケースの事)は、SS、真鍮にメッキ、金メッキ、金張りが殆どです。国産であれば殆どがSS、次に多いのが金メッキでしょうか。SWISS製は、真鍮にメッキが案外多いです。懐中時計は、ニッケルかシルバーが多いです。剥がれたメッキは、メッキが出来る環境か簡易メッキがないと再生できません。

↓ ビフォーアフターです。この様になります。
アフタービフォー
↓ 「分解清掃 実践編 」では、このSEIKO Cal:7005を使います。このケースとブレスを磨いて使えるようにします。
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まず、本体とブレスに分けたらブレスから先に手をつけます。(時間がかかるので)ブレスが無かったり、革ベルトなら勿論この限りではありません。今回の時計は、流石に発売より50年経過した時計ですからブレスも凄く汚いです。長年の汗、皮脂、ゴミなどが混じった汚れです。徹底的に綺麗にしましょう。僕の場合は、まず、洗浄液として重曹もしくはマジックリン原液を5倍位に希釈したものどちらかを蓋が閉まるビンの容器に入れて24時間以上浸けておきます。24時間経過したら瓶を振ってみてください。真っ黒になると思います。次に瓶からブレスを取り出して歯ブラシと洗剤で洗います。
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ここは、入念に洗浄しましょう。(気持ち悪いので)だいたいの汚れは、この作業で落ちます。軽い汚れなら超音波洗浄だけでもいけます。一応洗い終わったらキズミで隙間とかも見てみてください。落ちていなかったらもう少し頑張りましょう。もしくは重曹や洗剤の液からもう一度やり直しましょう。この作業が終わったら乾燥させます。乾燥したら下のグラインダーなどでケースを研磨します。もちろんリューターや耐水サンドペーパーなどで行っても構いません。グラインダーだと作業時間が早いです。
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次に風防ですが、新品があればそれにこしたことはありませんが、今回は元々付いていた風防を再活用します。プラスティック製(プラ風防)なので磨きましょう。といっても浅いキズならコンパウンド(磨き粉)でいけますが、写真のように深めなキズの場合は、耐水サンドペーパーでキズをとり仕上げでコンパウンドで磨きます。
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キズの深さにもよりますが、今回は、#600、#800、#1000、#1500、#2000を使いました。粗い#600から順番に#2000まで使って磨きます。細かく分けなくてもいけますが細かく分けた方が仕上がり時間が早いです。用意するものは四角柱の木片と耐水サンドペーパーと水とプラスティック用コンパウンドです。木片は、サンドペーパーを巻き付けて使います。平らに仕上げる為です。
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↓ 木片は、面がしっかりしているものを使ってください。ホームセンターなどで木っ端コーナーとかにあります。僕は角材を切って使っています。ペーパーは、粗いものから順次細かいものへ取り替えて最終的には#2000で仕上げます。
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↓ 最後にプラスティック用コンパウンドで磨いて最終仕上げです。
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↓ この位綺麗になりました。
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↓ ビフォーアフターです。
風防アフタービフォー
次にケースです。ケースを研磨する時の注意点は、角(エッジ)を落とさない様に磨く事です。プロは、グラインダーでそれを行う事が出来ますが、僕らはなかなかそうもいきません。必ずといっていい程に角(エッジ)が落ちて丸まってしまいます。ですので今回は、手作業で角(エッジ)を落とさないよう研磨します。

↓ 幸い大きな打ちキズがないのでラッキーです。
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↓ このように角材をあて木にして面の通りに磨きます。番手は、#800#1000#1500#2000で行いました。#2000で結構ピカピカになります。
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↓ 錆びは、こそげ落としたり真鍮のブラシ(リューター用)で落とします。真鍮の細い針金が飛ぶので目は保護してください。また、手が汚れるので薄い使い捨てのゴム手をします。
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↓ サンドペーパーと錆落としが終わたら青棒をつけてリューターで磨きます。仕上げにコンパウンドをつけてリューターで磨きます。
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↓ 綺麗になりました。
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↓ エッジの状態です。側面と上面の角。ここが丸まってしまっては駄目です。
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↓ ビフォーアフターです。
ケースアフタービフォー
↓ 新品とまではいきませんが綺麗になりました。
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ケースとベゼルの間やケースと裏蓋の間に発生しているケースの錆ですが、ペーパーなどで削り過ぎるとベゼルや蓋がとまらなくなりますので注意してください。
また、今回は、大きな打ちキズが無かったのですが、有った場合は、ゴム入りリューター用砥石などでキズが目立たなくなるように削り平面に慣らすのですが、ケースはその分瘦せるので適当所で折り合いを付けた方が良いでしょう。大手プロショップでは、レーザー溶接とかでキズに同金属を盛って平面にする方法などあります。要は、どこまでやるかです。


↓ 最終的完成姿です。
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では、また!



★今回使用した工具類(クリックするとAmazonや楽天のサイトに飛びます。参考にして下さい。)
















See you again! have a nice day and nice life !

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